美味しゅうございました。
2023年 夏
高原の夕暮れ時。今年の夏は暑かった。
久しぶりに
古風な日本語を発するお客さまにお目にかかる。
そうだった、この空気感。
久しぶり。 心地よい。
2015年 夏
この地域でお店はポツリポツリとしか存在しておらず、SNSをほとんど使わずにお店を開けていたあの頃。
美しい日本語が店内には充満していた。
そして本当の一期一会が存在していた事を思い返す。
けれど1980年代に産まれた、私たち。
グローバル化が加速している最中に
経済は困窮。
変化の時に、何事にも何択かの"答え"が目の前で提示されていて。
何処か奥の方から湧き出る、自由の概念とのジレンマにもがいて来た。
まさに息苦しさから解放されたくて始めた事が
また息苦しさを生んでしまうジレンマ。
そして揺らぐ、アイデンティティー。
そんな折にやってきた今。この時代の大きな変化の波。
後ろ髪をひかれつつも
前へ、前へ進み続けたここ数年。
お店は今年で8年目を迎える。
きっと今でも見守りながら
見えない所で支えてくださっている
人生のずっと先を生くお客さま方を
あらためて心に蘇らせる。
そして家族。信頼の置ける友。
今この場があるのは
瞬間過去になっていく
時間の積み重ねがあるからで。
そこには一秒一秒、選択の連続があって。
そしてそれは年輪となって
オリジナルを形作って行く
だから
大切なことを胸から離さず
前へ、前へ。
日傘を持ち、おひとりで
歩いてご来店くださったお客さま
インスピレーションをここに。
手紙を書こう。
今日も一日に 感謝。
